2015年2月25日 (水)

美しい

こんばんは
季節と気温が察知できません
毎朝が戸惑いの朝です
テルです
昨日読み終えた本の作品紹介に
奇跡的な美しさで紡ぎだす・・・って書かれていて
よく帯とかにもそんなようなことが書いてあったりして
確かに読んだ本の中にはたくさん
嗚呼きれいな文体だなと感じるものはたくさんあって
逆に
おおー、攻めてるなぁとか
もの凄、ぶっきらぼう(この表現がいいのかどうかわからんけど)に
書いてはるなぁと感じたり
書き方みたいなのはいろいろなんだけど
きのう読んだ本は
文章、文体が美しいというより
描いているシーンが、単純に言うととても残虐なものなのに
なぜか美しい絵が想像できたのは確かで
嗚呼、そういうことなのかと
あまりいつも信用しないけど
裏表紙の文面を然りと思った次第
美しいものを描くには
美しい絵が必要なわけではなく
当たり前なんだけど
そこにある心の美しさが読み取れて
はじめて美しいねんなと
改めて感じる

でも
この残虐シーンを美しく感じさせるということは
やはり凄いことなのな
日々勉強。

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2010年12月 3日 (金)

人魚

今日読み終わった本には人魚が出てきた。

てか本当は人魚なんか出てこないけど自分を人魚と言い張る子供の話。13歳の少女。10年に一度にやってくる天気予報にはない大嵐の夜の出来事の話。泡になる。

で、今日は大雨。今すんごい雷どっかに落ちました。たぶん。

13歳と14歳と15歳は、私の凄い好きな歳で、でも恐ろしく人生で忘れられないことがあった歳で、このあたりの年齢の人物が出てくる物語にはいつもなぜか変な思い入れをして読んでしまう。

色々考えてしまうのだよ。

さてホンを書かねばなりませんよ。

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2009年9月29日 (火)

期待せず・秋虫・カ

今日、読みかけの本が電車に乗っている時に丁度、最終らへんに差し掛って、まったく不覚にも泣いてしまった。あまりにも不意打ち。ずっとクスクス笑いながら読んでたから。突然スコーンって全部素直に入ってきて制御不能。

いかん!電車はかなり混んでいる。恋人かよという位寄り添ってた真正面のおにぎりバックの高校生男子(たぶん野球部)を回避しようと体を動かすと、止まるでも揺れるでもないタイミングで体を動かす女に不審を感じたのか隣の奇麗な(爪の)お姉さんがあからさまな怖い視線を送ってくる。更にいかん!とその逆サイドに体を動かそうとしながらも上手く動けず、たぶん感情はまだ物語の中にいて、その内容についてなんでなんだーという感情と、なんでどっちにも向けないんだーという感情が絡まって更に涙が止まらなくなった。

人間って不思議だ。泣かないでいようと思えば思う程泣ける。痩せようと思えば思うほど食べてしまうメカニズムと一緒だろうか。嗚呼無情。

期待せずそれに取り組むことはある意味、その対象にとても優しいということだ。

奈々子
お父さんは お前に多くを期待しないだろう。

お父さんがお前にあげたいものは
健康と自分を愛する心だ。

なんかそんな詩を思い出したのでした。全然方向ずれてるけど。

でも全く期待されないというのも哀しいことだ。期待され、その期待に反せず結果を出すということは凄いことなのだ。

もうすぐ9月が終わってしまう。私の家のぐるりは草むらが多いんで毎晩秋虫たちがコロロロー。でも朝起きたらまだ蚊にさされた跡が出来ている。なんてこった。

ちょっと忙しくなりそうだ。

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2009年9月25日 (金)

二つの月

1Q84読了。書店に行くと、あまりにもそれに纏わるエトセトラが多すぎるので、もっと後から読めばよかったと、ちょっと後悔。妹の本棚にそっと返しておこう。私はかなり面白く読みました。二つの月の物語。

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なんだかまたちょっと暑くなったりで、気温とか季節の変化に全然ついていけてない。私が見上げる夜空には三日月がひとつです。

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2009年9月11日 (金)

偶然の書籍

海辺のカフカを読み終えて、妹の本棚を探すと、まだ読んでないのがあったので読み始めたのが「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」。

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これがまた実に面白かった。描写が素晴らしい。こんな陳腐な言葉で言い表せないんだけど、風景とか季節の表現も独自の世界観を貫いている。一角獣の頭骨とか地下に住む「やみくろ」とか観たことないだろうもの、想像上の生き物の描写も本当にそれを熟知していて、それらと世界を共にしてきた人の語りのようにリアルだ。それでいて全て現実離れした世界の物語だ。全てはメタファー。面白い。

私は、今読んでいる本が終わりかけると、次に読む本をどうしようかと物色しだす習慣がある。読み終えたら、即次これ読むとほぼ決めてる。で、いつも行く本屋に、「マイ心の棚」ってのがある。ここに平積みされているものは、偶然にも私にとっては面白い本が多かった。物色し過ぎて悩む時は、阿保のようにそのマイ心の棚の平積みを買うことにしている。

そして、「世界の終わりと~」を読み終えた翌日、とうとう、その棚の本を手に取ってみると、その本の内容が「世界の終わり」がやってくるという話だった。

世界を終わらせるのは私だったのかと悟る。

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2009年9月 7日 (月)

テープレコーダー

「朗読者」を読む。映画を観に行きたかったけど行けずだったので原作を読んでみようと。

映画の邦題をいつもかっこよく付け過ぎだよと思うんだけど、「朗読者」よりも「愛を読むひと」の方が確実に日本人なら観に行きそうだから仕方ない。「愛と青春の旅立ち」の原題は「An Officer and a Gentleman」そのまま訳したら「仕官と男」だ。つまり日本人はやたらロマンチックなタイトルが好きなんだろう。

朗読者は大きく前編と後編に別れた物語で、前編に描かれた何故何故が後編で暴かれていく一種の謎解きのような要素も含むお話。少年から青年になった一人の男性が語る物語だが時代とそれ以前の歴史背景とその残骸を克明に描いている。謎が解かれることが悲劇でもあるのよ。戦争という歴史に翻弄され傷ついた人の物語です。

この前読んだ「私を離さないで」にも出てきたテープレコーダー。このテープという古い道具がなんかもの凄くいい。聴く度に磨り減るという哀しさが、それでも尚、聴き続ける者の想いをよけい強く想像させる。

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2009年8月26日 (水)

偶然の物語

何故かココの所、月に1回くらいのペースで偶然な何かが起こっている。

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6月くらい。読み損ねていたPLUTOを電車の中で読み終えて向かった劇場で観た芝居が、アストロメリアLinkプロデュースさんというところの「アトミックハート」という作品で、それが全く予備知識なしで観に行ったんだけど、ロボットと人間の物語だった。内容のベクトルも同じ方を向いていると感じ、なんだかその頃あたりはロボットについて考てた。

去年の夏に、ロボットの話を途中まで書いてたんだけど、その時に観に行ったお芝居もロボットの物語をやっていて、観ている途中で97パーセント執筆意欲喪失で、その作品をとっとと辞めて、全く別の話にして書いたのがセイハロ。

でもその書きかけてたロボットの話をちょっとまた見直してみたり。やっぱりやらなくてよかったと思ったり。どうにかしようと思ったり。その時に読み漁っていたロボット工学の本が面白過ぎて自分でロボットつくりたいと思ったくらいだった。絶対でけへんけど。

なんだかちょとそんな話。

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2009年7月23日 (木)

私を離さないで

初カズオイシグロ。「私を離さないで」

「日の名残」は映画で観ただけだったので。

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帯に書いてあるように、泣くとか泣かないとかそういう次元では語れない。暗い秘密。過去、抗えない運命。そして今。どれだけあらゆる感情が抑えられた文体でも、ここには人には感情があり、限りある生を生きていることが強く描かれている。

聴いたことのない曲『Never Let Me Go』がまるでしっている曲のように自分の中に回転している。

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2009年6月 8日 (月)

噺家

電車の移動中だけで2日くらいで読める面白さ。

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桂雀々さんの「必死のパッチ」。桂雀々さんの子供の頃から噺家になるまでの半生を描いたお話。壮絶な幼少時代。帯のコメントにもあるように麒麟のホームレス中学生より酷いかも。

両親に捨てられた雀々さんの実話なんだけど、最初はおかんに捨てられ、後からおとんに捨てられます。読んでで「セイ透明ハロー・セイ金色グッバイ」に似ててびっくりやった。

優しいお母さんに捨てられ反りの合わない父親とギクシャクしながら生きてみたけど、その父親にも捨てられたりしたら・・・それはものすごい哀しいだろうな・・・あってほしくないなあと、私はそう思って想像して書いたけど、その通りの人生を雀々さんは経験してはった。そのメチャクチャなおとんをあんなに面白く描けるのは素晴らしい。

その自分の経験から噺家への道に進むことになるんだけど、こんなに酷い生活が・・・って涙でるんやけど、でも笑ってしまう。すごい。きっとその人の生きることへのエネルギー、必死さが伝わるからだ。雀々さんの落語ききたくなった。

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2009年3月 9日 (月)

論理的思考の上

東野圭吾の「容疑者Xの献身」

あまりにも人気があり過ぎるものには手が出ない私ですが、アカデミー賞の授賞式での堤真一のコメントが面白かったので、映画も勿論観てないけど読んでみることに。

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東野圭吾の作品で面白いなあと思うところは主人公の人間の感情を描かないことですな。その中でも「白夜行」がダントツで、素晴らしく何ひとつ買いてなかった。でも物語を読めば分かっていくという仕組みで、このじんわり染み渡っていく作法にやられる。

殺人事件を解決するということが、天才数学者の出す難問を天才物理学者が解くという裏ストーリーと、その天才同士はかつての友人であり・・・というとても魅力的な人物設定もある。

この殺人の全ては「論理的思考」に基づく仕掛けがあったのだ。私は数学チックなものがてんで駄目なんで、数学ができる人には、それだけで尊敬の念を持ってしまう単細胞なんだけど、数学とは「論理的思考」なのだなと、改めて感じる。そして崇高だ。そしてその論理的思考が全てであり完璧なはずだった犯人の唯一の誤算が、ラストシーン。

論理的思考とかそんなんを全部すっとばして、それを上回るもの。このストーリーでこれを描けるって凄い。

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