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2009年2月 4日 (水)

守るもの

今日、朝の電車で悲しいことを考えてしまった。考えれば考えるほど悲しくなった。

駅を降りて歩いてビルのエレベーターに乗った。降りようと思ってつけてたiPodのイヤホンを外そうとしたら本体につけてた皮のカバーがペロっと外れる。

あっ。

扉パタン。

あ・・・。

カバーはちょうど、扉と、落ちていくであろう奈落の底の間のようなところにピトっと落ちる。

・・・。

次、この扉が開いたどこかの階で見事に落ちていくのか。

まさかの奇跡でこの扉のほんの僅かの幅に乗っかったまま、またこの扉は開くのか。

そんなわけないな。

買った時からずっと離さず付けてたカバー。

本体を傷付けず使えてきたのもこのカバーのお陰。

このカバーの中で私の大好きな曲たちが何回も再生されてきた。

もうボロボロになってたけど、

なんかこのカバーが曲を守ってくれてたかの如く妙な気持ちになる。

・・・。

急がないと間に合わない。

諦めるしかない・・。

歩き出す。

後ろ髪を引かれながら。

でも

慌てたんで外し損ねたイヤホンから流れるメロディ。

それは、どうしてもどうしても

忘れられない曲で

そして、とてもとても

大事な曲で

そしたらもう

くるりと踵を返して走ってた。

大きなビルなんで、エレベーターは6機もあって。

全部の機ボタンを押す。

一気に押しまくる。

上がってこい!

いや、降りてこい!

どっちでもいい。

とにかくこの階に。

私が乗ったエレベーターの扉が開く確立は6分の1。

1機目のランプが点灯。

ああ。・・・違うエレベーターだった。

大丈夫。あと5回待てばやってくる。

1機目のエレベーターを見送る。

開いても乗らない私を睨む中の人たち。

ごめんなさい。

次のランプが点灯。

ああ。・・・また違うエレベーターだ。

そして3個目の点灯。

と、思ったら、1個目に開いたエレベーターがまた点灯。

なぜに!?6機が順番に開くというんじゃないのか!

確立は・・・。

わかんねー。

もう駄目だぁ・・・

と思った次の瞬間、私が乗ったエレベーターが点灯。

神様・・。

勝手に祈ってた。

どうか落ちてませんように。奇跡で乗っかっていますように。

なんでカバーだけやのにこんなに必死になってんねやろ、私。

聞こえるメロディ。

ほんまかよ。この歌詞とか思う。

だけど信じてしまう。

開く扉。

そこにいた皮のカバー。

扉とそのそのほんの僅かの間に挟まってくしゃくしゃになって。

慌てて引っ張って取り出す。

私の手の中に戻ってくる。

大事なんだと気がつく。

そしたら歌詞がはっきり聞こえてきた。

私が守ったわけじゃないんだ。奇跡でいてくれただけ。

私は不注意で鈍感で大事なものを知らない間にどんどん落としていて。これが今はたまたま気づいただけで。

きっと私は知らない間にたくさんのものを失くしてしまっているんだろう。

とても大事なものを拙さと愚さとで手放してしまったんだろう。

なくならないでって吠えることすらできないまま。

大事なモノを大事と思って生きれてるのか私。

ちゃんと守れてるのか私。

歌詞がもっとはっきり聞こえてきて。

メロディが頬を伝っていった。

明日、エレベーターに乗るのちょっと怖いんだ。

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