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2008年12月14日 (日)

シンジ

昔観た芝居にとても心に強く残った台詞があって。

「事実と真実は違うんだよ」というのだ。使い古された言い回しのようでもあるが、よくよく考えてみると、これはとても大事な台詞だった。その時の私にとって。そして多分今も。

「事実」は観測された事柄、起こった現象だ。そして「真実」は、意味を調べてみると、

本当のこと。

って書いてある。この「本当」って言葉が大事なのだ。「歪曲や隠蔽や錯誤をすべて排したときに明らかにされること」とも書いてある。

事実でしか見えない伝わらないことが世の中きっと殆どで、事実なのだから当然そのとおり、結果それでしかないのだけれど、でも「事実」にはなかった「真実」ってのがあるのだ。きっとどんな場面にも。私の人生にだっていっぱいあったよ。

で、あるならその真実を描きたいと思った。そして、シンジという役をつくった「真実」を演じる人。

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ごまくんにお願いした。五馬さとしという役者には「真実」が似合う。私の感覚的なものだけで言うと。どんな??ってつっこまれそうだけど、でもうまく言えんけど、そんなものがごまくんにはあるのだ。

実はごまくんとは長いつきあいだ。ずっとエンペラーごまという名で、ひこひこさんの看板として劇団を引っ張っている俳優だけど、その、ひこひこさんに入る10年以上前からの知り合いだ。コメディもできるし、ダンスなんかもやたら上手い、キレも味もある。ふり幅も大きい。いい役者だとつくづく思う。

少年ハルとのお父さんのシーン以外は病院側では、ラストシーンまで、ずっと掃除しているだけで殆ど存在感なしの役のはずなのに、圧倒的な存在感を見せる。つまり役者である。ストーリー上、勿論そうなってはいくんだけど、それは、その役作りが深く、自分の演じる役に対して実に真摯であるからだ。

太宰治の「走れメロス」を題材にしたが、「真実とは決して空虚な妄想ではない」という台詞がある。どれだけ結果が不本意だったり、本当は違うのに・・・と思うことがたくさんあったか、そしてこれからもたくさんあろうとも、もちろん結果が全てと言われる世の中だけど、でも自分の中にある(あった)「真実」は曲げれないのである。そしてそれがやっぱり結果より大事だと思うのだ。

「真実」の意味がこめられた「シンジ」でいてくれた。ありがとう。ごまくん。

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